
政策学研究科は2011年の開設以来、「公共」と「協働」をキーワードに、多様化・複雑化する社会課題に多面的にアプローチし、実践的な課題解決を構想できる人材の養成に取り組んできました。少子高齢化や格差の拡大、気候変動への対応、地域社会の持続可能性など、現代社会の課題は一層高度化・複合化しています。こうした時代に求められるのは、専門分野の知識を深めるだけでなく、異なる主体や分野をつなぎ、協働によって新たな公共を創造していく力です。
本研究科では、「政策学研究コース」「NPO・地方行政研究コース」「ソーシャル・イノベーション研究コース」の3コースを設置しています。政策学研究コースでは、公共政策に関する理論的・実証的研究を通して高度な研究能力を養成しています。NPO・地方行政研究コースでは、「地域公共政策士」の資格取得につながる教育プログラムを展開し、地域社会の課題解決を担う高度専門職業人を育成してきました。また、ソーシャル・イノベーション研究コースでは、龍谷大学・琉球大学・京都文教大学による大学院連携プログラムを基盤に、社会課題の構造を的確に捉える分析力と新たな価値を創出する実践力を備えた「ソーシャルイノベーションデザイナー(SI-D)」の養成を進めています。これらはいずれも、地域公共人材の育成という本研究科の理念を具体化する重要な柱です。また、各コースで培われた研究成果をもとに、博士後期課程に進む院生も少なくありません。
本研究科には、学部から進学した学生に加え、自治体職員、NPO関係者、企業人、留学生など、多様な背景をもつ院生が集います。平日夜間・土曜日を中心とした開講、長期履修制度、メンター制度などにより、働きながら学ぶ方にも開かれた学修環境を整えています。多様な経験と専門性を持ち寄り、理論と実践を往還しながら学ぶことができる点は本研究科の大きな特色です。
地域と世界が直面する課題に対して、現場とアカデミアを架橋しながら新たな公共のあり方を構想していく――その知的挑戦に、ぜひ本研究科でともに取り組んでいただきたいと思います。
政策学研究科長 的場 信敬