政策学研究科の特色ある科目

コミュニケーション・ワークショップ実践演習

政策主体は多様な価値観、利害、目的をもっています。政策過程を担う人材に求められるコミュニケーション力とは、議論や対話を通して価値観、利害、目的の異なる多様な人々を「つなぎ」理解や共有を「ひきだす」ことができる能力です。この科目では、まず、議論の促進役である「ファシリテータ」の役割や機能について理解します。そして「ファシリテータ」実践を通して議論の「場」を構築し、参加者からの意見を引き出し、皆が納得できる結論にたどり着くプロセスを経験し、議論の促進者としての能力を育てます。

この科目では、参加・協働型社会に求められる「建設的な話し合い」を、参加者が主体的に進めるためにはどうすればいいかについて、スキルとマインドの両面から考えてもらいます。2日間のワークショップでは、プロのファシリテータが進める話し合いへの参加・観察、ふりかえりを通して気付きを共有し、2日目には実際にファシリテータ役になって話し合いを進めてもらいます。前期の最初に開講されるため、受講生同士が知り合うチャンスでもあり、大学院生活のアイスブレイクとしても、受講生のみなさんから好評をいただいています。ぜひ、前期の最後に開講される協働ワークショップ実践演習とセットで受講してくださいね。

参加・恊働型社会に求められる<つなぐ・ひきだす>能力(村田和代教授)


協働ワークショップ実践演習

政策は多様な担い手により展開されます。市民のさまざまな団体(市民社会セクター)、企業(市場セクター)、自治体や国などの政府(政府セクター)。これらの市民社会、市場、政府の3つのセクターの内外に多様に存在する主体が課題を共有して議論し、合意や決断にむけて意見を集約していくことが、政策過程にとっては重要です。しかし、日本の社会にはこうした機会は少なく、その理念を理解し、そのための能力を育成する経験が不足しています。この科目では、市民、自治体職員、そして院生による密度の高い議論の機会を用意し、クロスセクターでの対話・議論の参加者としての経験と能力を育てます。

協働ワークショップ実践演習


社会の様々な課題を解決し連帯型の安定した社会を実現するためには、社会の課題をしっかりと受けとめ、それぞれの想いを通わせながら連携し、課題の解決を社会的協働を通じて実現する"地域公共人材" が必要です。この演習はNPOとの連携で、各セクターから集まった社会人と学部専門コースから入学した院生が同じテーブルを囲んで、現実の社会で起きている課題を対象に、協働型解決を導くためのさまざまな理論や手法を実際に応用する方法を学ぶ、政策学研究科でもっとも特色のある演習科目のひとつです。

課題の解決を社会的恊働を通じて実現する(富野暉一郎教授)


行政インターンシップ/NPOインターンシップ

政策の現場で、課題解決のために直接取り組むことは、理論を検証しながら実践力を育てる絶好の機会です。2003年に設置されたNPO・地方行政研究コースでは「地域連携協定」を活用し、自治体、NPO、議会など多様な政策実践の現場をインターンシップ先としています。院生インターンシップは学部生とは異なり、研究のテーマにそった研修先で、準スタッフとして実践に取り組むことが重要と考えています。そのため担当教員が学生の希望調査、派遣先の選定、先方との調整をはかり、実りあるインターンシップを実現します。インターンシップは短期集中、長期継続の2つの形態があります。

取り組み例 1
京都市伏見区深草支所 深草商店街の活性化に取り組む

私たちはインターンシップで、主に深草商店街を通した地域活性化について取り組ませていただきました。具体的には、商店街の魅力を発信するために、商店街のお店にインタビューを実施し、それをもとに自分たちで商店街の現状や課題を分析しました。また、職員の方々と商店街の現状を共有し、今後の地域との関わりについて意見交換を行いました。

実習の中で、自治体は一面で権力機関であること、権力を持つことに恐れ多さを感じながらも、市民の身近な政府として試行錯誤し役割を果たしていく職員の方と働くことができ、自治体の地域への眼差しを実践的に学ぶことができました。ここで養ったバランス感覚を大切に、地域や公共を担う人材として活躍していきたいと考えています。

(政策学研究科修士課程 佐野光平さん・竹本真梨さん)

商店街の現状報告とディスカッション
商店街の現状報告とディスカッション

左:佐野さん/右:竹本さん
左:佐野さん/右:竹本さん


取り組み例 2
特定非営利活動法人よう北野まつり 地域の人たちと共同運営

「特定非営利活動法人よう北野まつり」は地域コミュニティ活性化と地域文化伝承をミッションとしたNPO団体で、地域の方々と大学生が共に関わり合いながら活動していました(地域住民での活動が主体となり、基盤が確立されたことから、法人は2012年度末で責務を終え解散しています)。インターンシップでは、平成24年8月16日に北野天満宮で行われた盆踊りイベントの企画運営や事務局運営に携わりました。イベント当日に向けて、各種会議などに参加させて頂いた中で、地域の方々のお話に耳を傾けていると「この地域が大好きだ」という想いを強く感じました。また同時に「このままでは地域コミュニティが衰退してしまう」との危機感から、地域の方々と大学生が「この地域の為に何ができるのか」を真剣に考えて、イベントを創りあげる姿はとても頼もしく、地域の底力を感じることができました。

(政策学研究科修士課程 滋野正道さん)

企画運営について入念にミーティング
企画運営について入念にミーティング

地域のまつり運営に取り組む様子(滋野さん)
地域のまつり運営に取り組む様子(滋野さん)


キャップストーンを終えて

地域における“新たな役割”が大学に求められているという背景のもと、私たちのキャップストーンでは龍谷大学政策学部をクライアントとし、「深草地域」「府北部地域」において果たすべき大学の役割について現状の分析・提案を行うことがテーマでした。教員の先生方を対象としたワークショップ、院生へのアンケート調査、Ryu-SEI GAPの意義や課題の整理に取り組みました。調査を行えば行うほど新しい気づきが得られ、絡まった紐を1つずつ紐解こうとしているかのような半年間のプロセスでした。革新的な提案を導くまでには至りませんでしたが、与えられたテーマにあらゆる角度から取り組む中で2年間の学びの引き出しを再度振り返ることができ、徐々に鳥の目をもって課題に向き合うことができるようになったと感じます。今後の地域での活動に大いに活かしていきたいです。

(政策学研究科修士課程 2012年度修了生 千代苑子さん)

与えられた課題に対し、まず学生へのヒアリングや、先生達のワークショップをしました。その結果を見て、やはり地域へのヒアリングはしよう、院生アンケートをすべきではないか等、状況をみながら必要なことを進める経験ができました。最後には"生徒を育てる" という点で色んな背景を持っている先生方が力を合わせられること、そうして行われる共同研究が政策学を創っていくのだと確信しました。そんな先生方の下で学べた感謝を忘れず、今後現場でキャップストーンでの経験を生かしていきたいです。

(政策学研究科修士課程 2012年度修了生 岩本陽子さん)

キャップストーンにおけるプレゼンテーションの様子
キャップストーンにおけるプレゼンテーションの様子

(左:岩本さん/右:千代さん)
キャップストーンを終えて白石教授と
(左:岩本さん/右:千代さん)


政策学研究発展演習

学部学生から大学院生まで、政策学を事例や実践から深く学修したい学生を対象とした科目です。密度の高い報告と質疑応答、あるいは集中した講義ができるように、2講時連続開講、また教員が2名同時に指導する形態をとっています。院生には学修の先輩としての専門性や分析力の高さが求められ、それによって学生同士の学びを促進し、学び合いのなかで院生自身もより高い水準に成長するよう指導されます。教員2名の課題に対する異なったアプローチや教員間の議論にふれることも、政策学の学修に効果を発揮します。

政策学研究発展演習


公共政策研究特別演習/NPO・地方行政研究特別演習

コースの必修科目です。複数開講され、いずれかに所属します。各講義は10名前後の規模で、2名の教員が指導にあたり、学生の学修の核となります。たとえば、論文作成の過程を発表、テーマや内容について議論し、その刺激を互いの論文作成に活かすこと。履修やインターンシップについて相談、指導、ヒントを得ること。多彩なメンバーの背景や思考に対話や議論とを通じて触れあい、新たな見地をひらきます。職業人院生、学部卒院生、教員による学修のコミュニティが特別演習であり、在学時の論文作成にとどまらず、修了後にも生きるつながりを育てます。

公共政策研究特別演習/NPO・地方行政研究特別演習


地域リーダーシップ研究/先進的地域政策研究

政策は課題解決のための試行が常に現場で展開されています。優れた先駆事例をそのリーダー(地域リーダーシップ研究)やキーパーソン(先進的地域政策研究)から直接聴き、議論する科目です。単なる事例紹介ではなく、そのテーマや事例について事前に学び、広く公開される講演を聴き、そのあと受講者には講演者と直接議論する機会が設けられます。リーダーやキーパーソンの講演と、事前、事後学修が理解をより一層深いものにし、事例を自らのものとすることになるでしょう。

地域リーダーシップ研究/先進的地域政策研究


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