Need Help?

Faculty of Policy Science

政策学部

学科紹介

  • 政策学科
  • 政策学科
  • 政策学科
  • 政策学科

政策学科

社会の課題を幅広い視点から解決する人材を育む

Projects プロジェクト紹介

政策実践・政策演習

▼解決を目指す「社会課題」

里山や耕作放棄地の整備不足

山をよみがえらせるために人と自然の距離を縮める

里山や耕作放棄地の整備不足

粟野 杏さん

粟野 杏さん

3年生(広島県 山陽女学園高等部 出身)

衰退の一途を辿る過疎地域で学生視点から持続可能性を探る

福知山市中六人部地域では、少子高齢化と人口減少の影響で耕作放棄地が増え、里山の手入れも行き届かなくなっています。かつては鎌一本で生活できるほど豊かだったという自然も、人手不足が原因で放置されたまま、今では松茸の収穫時期だけ山に入る程度だと聞きました。現地の人が「若い」と呼ぶ方々の年代も既に60歳以上、このままでは、地域の存続さえ危ぶまれます。福知山プロジェクトでは、こうした深刻な問題に焦点を当て、現地の方と協働しながら課題解決に取り組んでいます。

「いきものがかり」「歩歩探検隊」「ててまる。」の3つのグループに分かれ、地域生物の再評価や地域の魅力発掘、そしてマツタケ山の整備と、持続可能な未来に向けて、自分たちにできる活動をすすめています。決して便利とはいえない地域も、外部の視点から見ると、豊かな可能性を秘めています。持続可能な未来に向けて、私たちの挑戦は続きます。

地域再生活動の深化とともに深まる現地の方々との関係性

私たちの活動の中心は、地域の方々とのワークショップと実践的なフィールドワークです。マツタケ山の整備では、枯れ木の伐採や落ち葉の除去を行い、収穫することができた松茸をわずか1年で9本から32本に増やすことができました。生き物調査や地域の歴史探索、キノコ探索会など、多角的なアプローチから地域の魅力を掘り起こし、次世代へと継承する活動を展開しています。そうした私たちの活動は当初、現地の方々の目には稀有に映ったようです。それが、自ら積極的に声をかけ、アプローチしていくうちに「学生さん」という総称で呼ばれていた私も名前で読んでいただけるようになりました。さらに、現地の方々だけで大木を倒し、私たちが活動しやすいように力を貸してくださいました。協働作業によって、単なる調査活動の枠を超えた深い関係性を築けていることがとてもうれしく、私たち自身も地域の一員として成長しているのを実感しています。

受け継がれてきた先人の知恵を地域と協働して次世代へ受け継ぐ

福知山プロジェクトの活動を通じて、私たちは地域の方々から貴重な知恵と経験を学んでいます。長く土地に根ざして生きてきた住民の知識量は驚くほど豊富で、山菜の見分け方や自然との共生の手法、イノシシの生態など、座学では知ることができない実践的な学びを得ています。また、京都府農林水産技術センターの職員さんの協力のもと、地域の方からの提案でキノコ探索会を実施したり、地域の歴史を辿るウォーキングイベントを計画したり、さまざまな角度から地域再生の取り組みを推進しています。今はまだ住民やその親戚、関係者のみの参加ですが、この先もっと活動が盛り上がれば、他の地域からも集客できるかもしれません。私たちの活動は、単なる学術的な調査ではなく、信頼関係を基盤とした相互理解のプロセスです。立場や年代が違っても同じゴールに向かって協働することで、みなさんが大切に守ってきた知恵や地域特有の文化を、次世代へ受け継いでいきたいと思います。

地道な活動の継続が地域の可能性を切り拓くと信じて

フィールドワークに行く前には必ず、座学をとおして必要な知識や情報を収集します。松茸の成長に適した環境や里山の現状、さらには現地でのワークショップをスムーズにすすめるためのファシリテーターやグラフィッカーの役割についても学びます。きちんと段取りを踏み、地域の基本情報を押さえておかなければ、現地の方々が真に解決したいと思っている課題を見つけ出すことは困難だからです。今後の展望は、関係人口としての継続的なかかわりです。地域の方々との信頼関係を基盤に、将来的には地域外の方々を呼び込むイベントの企画や、子どもたちの自由研究支援など、より広い視点での地域活性化を視野に入れています。特に、夏休みや帰省期間を活用した子どもたちとの自然体験プログラムは、地域の魅力を次世代に伝える重要な取り組みになるでしょう。この活動が、里山の新たな可能性を切り拓く一歩となると信じています。

政策実践・探究演習(国内)

「政策実践・探究演習」は、さまざまな地域の問題解決にチームで取り組む PBL(Problem / Project Based Learning )科目です。話し合いによるまちづくりや、農産物のブランディングをとおした農村づくり、地域資源の再発見・評価を通じて地域社会の活路を見出す取り組みなど、複数のプロジェクトがあり、学部生と大学院生が共に参加し学び合います。学生が自分たちで地域課題を分析し、地域住民の方々や、行政、専門家と協力しながら活動することを通じて、論理的思考力や表現力、マネジメント能力などを身につけることができます。
( 科目の詳細は本学Webサイトから「Webシラバス」をご確認ください )

SEE MORE

韓国PBL

▼解決を目指す「社会課題」

日韓の若者問題

日韓の若者政策を比較研究現地調査を通じて見えてきた
両国に共通する課題と二国間で異なる解決への道筋

日韓の若者問題

山田 照英さん

山田 照英さん

3年生(兵庫県 神戸市立科学技術高等学校 出身)

社会的・経済的・歴史的な違いを超えて
日韓の学生が「若者問題」という共通のテーマに挑む

政策学部が実施している韓国PBLに参加し、「若者政策の日韓比較」をテーマに調査・研究を行いました。私たちが取り上げたのは、「日韓における若者の貧困問題と政策比較」です。事前学習として日本の若者の現状や貧困の原因について学んだのち、韓国ソウルへ向かいました。

現地では、研究機関や若者に関する団体などを中心に若者問題に対するヒアリング調査を行いました。現場の声から見えてきたのは、不安定な雇用拡大による若者の経済的困窮と貧困層の増加、そして、若者の貧困に拍車をかける厳しい雇用慣行でした。生活の安定や将来への展望が見えにくくなっている韓国社会で安定したキャリアを築くには、経済的支援とキャリア教育の両面から手立てを考えなければなりません。また、ハードな雇用慣行に対しては、終身雇用の拡大や強化、若年層に対する社会保障制度の充実といった労働市場の改革も不可欠となるでしょう。いずれの場合も、韓国政府による積極的かつ実効性のある支援策の検討が求められています。

フィールドワークの調査をもとに、私たちなりに韓国の若者問題の背景を探り、解決策を考えました。調査結果をまとめて臨んだ韓国中央大学との交流プログラムでは、それぞれの視点から日韓の若者問題や政策を比較、検証しました。両国間の社会的・経済的な相違点、両国に通じる共通点が明らかになり、韓国の若者の深刻な引きこもり問題やその背景にある社会的な根本要因を深く理解しました。同じ若者問題でも国や地域によって要因はさまざまで、解決の手立ても決して一つではありません。異なるバックグラウンドをもつ同世代の学生との意見交換をとおして、社会情勢に対する意識が向上し、これまでとは違う多角的な視点で物事を捉えられるようになったと思います。帰国後は、PBLでの学びや気づきをまとめ、学内報告会で発表しました。事前学習から事後報告に至る今回の取り組みは、多様な視点から学び視野が広がる貴重な経験でした。今後も他者の視点や意見を取り入れ、自身の考えを深化させていきます。

政策実践・探究演習(海外)

アクティブラーニングを通じ、グローバルな視点をもった地域づくりを実践的に学ぶ科目。事前学修を経て、韓国以外にも、ヨーロッパやアジアなどで長期休暇を利用して現地プログラムに臨むことで、グローバルな視野をもつために必要な価値観の理解を深め、コミュニケーション能力や国際的な視点から地域社会の課題解決に取り組む能力を身につけます。

SEE MORE

地域レジリエンス論

▼解決を目指す「社会課題」

災害に対する社会の脆弱性

地域レジリエンスの理論を学び防災・減災への意識を高める

レジリエンスの理論を実践し、災害に強い社会をつくる

自然災害による被害を最小限に抑え、地域社会の回復力を高めることは重要な社会課題です。この授業では、災害過程と支援策、生活再建支援制度など、地域レジリエンスの基礎を学びます。災害前の防災対策から被災後の復興プロセスまで、幅広い観点で地域防災への理解を深めました。これらの知識は、ゼミ活動の一環で行っている能登半島地震の被災地支援にも役立っています。被災地での生活再建調査や住民とのかかわりを通じて、地域に応じた支援の重要性を実感しました。学びと実践の経験を活かし、災害に強いレジリエント社会の構築に貢献したいと思います。

災害に対する社会の脆弱性

中島 律さん

中島 律さん

3年生(大阪府立桜塚高等学校 出身)

地域レジリエンス論

自然災害によって被災した地域の現状と、自然災害による被害から地域がしなやかに回復するために必要となる政策について学ぶ科目。災害から命を守り、被害を減らすためのアプローチを修得するとともに、災害と地域との関係から、より良い地域のあり方を考察できることを目標とする。

Ryu-SEI GAP

▼解決を目指す「社会課題」

子どもが相談できる居場所/交流を楽しめる環境づくり

社会に潜む課題を見出しその解決策を探る

地域に根ざして人と人をつなぐ、Ryu-SEI GAPの挑戦

伏見地 域の「生きづらさ」を調査し学生目線から解決策を模索する

針生 英さん

針生 英さん

3年生(兵庫県 仁川学院高等学校 出身)

子どもの居場所づくりをめざし、地域と連携して「駄菓子屋すまいるプロジェクト」と「すまいるメモリープロジェクト」を実施しています。学生ならではのアプローチから子どもと親密な関係を築き、貧困や孤独といった切実な悩みに寄り添いながら、その解決策を探っています。

高橋 由衣さん

高橋 由衣さん

3年生(京都府立鴨沂高等学校 出身)

コミュニケーションに関する悩みを抱える学生に寄り添うイベントを実施しています。学生の悩みの把握と原因の追究を行い「自分の問題だ」と悲観しがちな学生に対して、肯定的な体験の場を提供することで、コミュニケーションにおける課題の解決をめざしています。

Ryu-SEI GAP

Ryu-SEI GAP(Glocal Action Program)は、地域社会の課題解決に取り組む正課外の実践型プログラム。京都市「伏見いきいき市民活動センター」を拠点に、地域の課題意識を共有した学生が、地域コミュニティの衰退、若者の地域定着、子ども・高齢者の居場所づくりなど、幅広い課題ごとにプロジェクトチームに分かれて大学周辺地域で活動に取り組みます。


Seminars ゼミ紹介

高畑 重勝ゼミ

田宮 和瑳さん

観光過密化による諸問題

観光政策で挑む地域活性化
住民とつくる持続可能な観光のかたち

田宮 和瑳さん

3年生(愛知県立瑞陵高等学校 出身)

観光による負の影響に着目し、その解決策を探る

私が高畑ゼミを選んだのは、観光がもたらす光と影の両面に向き合い、その解決策を探りたいと考えたからです。コロナ禍を経て、観光産業は大きな転換期を迎えています。観光客の過密化(オーバーツーリズム)が地域社会の大きな負担となり、人口流出や伝統文化の衰退も深刻な問題となっています。観光地として世界的な人気を誇る京都は、特に観光公害による課題が顕著です。ゼミでは、これらの課題解決に向け理論と実践の両面からアプローチしています。力を入れているのが、各地域の観光協会や自治体といった観光政策の担い手を訪ねるフィールドワークです。観光産業は、行政だけでなく旅行会社や飲食店、宿泊施設、交通機関など多様なセクターが絡み合って成立しています。現地調査も、多角的な視点から考える必要があるのです。

地域住民を巻き込み、観光政策を成功へ導く

観光客の集中による地域コミュニティの崩壊、伝統行事の継承問題など、複雑に絡み合う課題の実態を調査し、グリーンツーリズムやマイクロツーリズムといった新しい観光コンテンツへの理解も深めています。そのなかで気づいたのは、観光政策の成否は地域住民の参画にかかっていることです。魅力的な観光コンテンツをつくっても、住民の理解と協力なしでは、真の地域活性とはなりません。住民がその土地の魅力を再発見することで、地元愛が深まるという例もあります。そうした学びや気づきから、卒業論文は「地域に根ざした観光政策」を取り上げる予定です。観光には地域課題を解決する大きな可能性があります。暮らす人がまず地域に愛着をもち、観光の価値を実感できる。そんな観光政策の実現をめざし、研究を重ねていきたいと思います。

SEE MORE

村田 和代ゼミ

清水 菜那さん

コミュニティの希薄化

ことばの壁を超えて互いを理解し合う
やさしい日本語でつながる共生社会

清水 菜那さん

3年生(京都府 京都成章高等学校 出身)

相互理解の欠如を解決する方法を探る

村田ゼミを選んだのは、多様な背景や価値観をもつ人々が共生できる社会を実現したいと考えたからです。現代社会では、ことばの壁による地域コミュニティの分断がすすんでいます。なかでも、外国人住民と地域住民のコミュニケーション不足による相互理解の欠如が顕著です。この問題は、災害時の避難誘導や日常的な生活支援など、地域の安全や暮らしに直結する場面で特に深刻です。こうした課題に対して「やさしい日本語」を活用した実践的な取り組みを行っています。その一例が、地域住民や留学生、子どもたちが参加する防災ワークショップです。「避難」を「安全な場所に逃げる」と言い換え、イラストを活用するなど、参加者の言語レベルにあわせた表現を用いることでことばの壁を低くし、全員が主体的に参加できるよう工夫を重ねました。

相手を尊重する姿勢で共生社会の実現をめざす

ゼミ長として活動を率いるなかで、意思疎通の重要性にも気づきました。意見の違いや困難に直面しても、個々の考えに耳を傾け互いを理解し合うことで、より良い解決策を見出すことができました。この経験から、卒業論文では「リーダーシップとコミュニケーションの関係性」を掘り下げる予定です。村田ゼミの特徴は、学生主体でゼミ活動をデザインできる点です。取り組むべきときは全力で、楽しむときは思いきり弾けるというメリハリを保ちながら、自分たちの企画を実践してきました。先輩方と活発に意見を交わし、就職活動の相談に乗っていただくこともあります。ゼミ活動によって強くなったこの絆は、今後の研究活動における大きな推進力となるでしょう。誰もが自分らしく活躍できる共生社会の実現に向け、これからも挑戦し続けます。

SEE MORE

[その他の研究室テーマ]

  • 持続可能な○○の検討によって、地域社会の課題解決に貢献する
  • 食と農に関わる課題解決を通じた地域再生、ソーシャル・イノベーション
  • 住みたいと思えるまちのメディアをつくる
  • 経営・心理・統計を融合させて、おもしろい研究を大真面目に行う
  • 教育や福祉さらには平和といった政治・社会問題を憲法の視点から考える
  • 地域経済や地域社会、地域環境を持続的に維持・保全するための制度・政策について考える
  • 地域における公害・環境問題の歴史を学び、地域づくりに活かす方法を学び、実践する
  • コミュニケーションやことば(言語)を切り口に社会的課題をとらえ解決策を考える
  • 災害・交通の観点から「地域を守る政策」に関する理論と実践について考察する
  • 持続可能な地域社会のあり方について、自治・協働の観点から研究する
  • 行政、地方自治にかかわる重要問題の調査・分析
  • 身近な暮らしの中で環境問題を考える

学びのPoint・カリキュラム


Request Information

資料請求