▼解決を目指す「社会課題」

内藤 世理さん
3年生(静岡県立焼津中央高等学校 出身)
少子高齢化で過疎化が進む中山間地域では、地域の担い手が不足し、独自の文化や産業が失われつつあります。私たちの活動拠点である南丹市日吉町世木地域も例外ではありません。地域が抱える課題に対し、私たちはこの土地で栽培されている「日良し米」のブランディングや、地域資源を可視化した「フェノロジーカレンダー」の製作、農産認証ロゴマークの作成と実装に取り組んできました。
地域のブランドを確立し、地域内外の人々に関心をもってもらうことが、この活動の目的です。2024 年からは、地域の伝統食である「納豆餅」の新味の開発もスタートしました。従来の塩味に加え、砂糖や柚子胡椒などの新しい味を開発し、地域や大学のイベント販売を通じて、世木地域の魅力を発信しています。学生視点から地域の強みを再発見し、地域愛を醸成することで、関係人口の増加や新たな担い手の創出をめざします。
この活動をとおして、大学で学んだ理論を、地域で実践することの難しさを痛感しました。「持続可能性」や「地域内循環」といった考え方は、社会課題解決における重要な価値観や評価基準です。しかし、それを地域に実装するには、住民の方々との合意形成が不可欠で、コミュニケーションを重ねなければ、思うような成果は出せません。学生同士なら通用する議論も、背景の異なる地域の方々とは噛み合わないことがあり、自分たちのアイデアが独りよがりになっていないか、本当の思いを汲み取れているか、折にふれて原点に立ち返っています。何度も現地へ足を運び、対話を重ねるなかで、信頼関係の重要性を肌で感じました。また、知識を現場で試し、失敗から改善策を見出すプロセスを通じて、協働力と実践力が身についたと感じます。これからも地域に寄り添い、共に未来を創っていきたいと思います。
「政策実践・探究演習」は、さまざまな地域の問題解決にチームで取り組む PBL(Problem / Project Based Learning )科目です。話し合いによるまちづくりや、農産物のブランディングをとおした農村づくり、地域資源の再発見・評価を通じて地域社会の活路を見出す取り組みなど、複数のプロジェクトがあり、学部生と大学院生が共に参加し学び合います。学生が自分たちで地域課題を分析し、地域住民の方々や、行政、専門家と協力しながら活動することを通じて、論理的思考力や表現力、マネジメント能力などを身につけることができます。
( 科目の詳細は本学Webサイトから「Webシラバス」をご確認ください )
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▼解決を目指す「社会課題」

一谷 美里さん
4年生(千葉県立柏中央高等学校 出身)
日本と台湾、それぞれの地域社会が持続可能に共生・共存していくためには何が必要か。私たちは「地域社会におけるお宮の役割」をテーマに、両国の比較研究に取り組みました。
事前学修で調査した京都の事例をもとに、台湾でのフィールドワークを実施し、現地の学生と共に寺廟を訪れ、地域住民から話を聞きました。特に印象に残っているのは、台湾のお宮が地域コミュニティに深く根差し、人々の自発的な支えで成り立っていたことです。日本のお宮が本山を中心とした全国的な組織で支えられているのに対し、台湾はより地域密着型で地域の人々の生活と強く結びついていると知り、日本とは異なる運営形態や、信仰や文化がコミュニティ形成に果たす役割の大きさに衝撃を受けました。一方で、環境問題などの課題も抱えています。伝統を守りながら社会はどのように変化していくべきか、現地の学生と議論を交わしました。
海外経験の少ない私にとって、親日で文化的特徴も似ている台湾は、一歩踏み出しやすい環境でした。語学研修が目的ではないため、英語や中国語のスキルを求められるわけでもありません。それでも、ことばの壁に直面し、意思疎通の難しさを痛感することがありました。諦めず、最後までやり遂げられたのは、現地の学生が親身にサポートしてくれたおかげです。彼らのあたたかさに触れ、「親日」という言葉の奥にある相互理解の深さを実感しました。異なる文化や価値観をもつ人々と協働するなかで学んだのは、自国への誇りをもちながら、互いの価値観や文化的背景を尊重し合う大切さです。単なる知識の修得ではなく、人と人との繋がりから生まれる「生きた学び」こそが、共生社会の実現に不可欠なのだと気づきました。今回の取り組みは、私を一回りも二回りも成長させてくれる、貴重な経験でした。
アクティブラーニングを通じ、グローバルな視点をもった地域づくりを実践的に学ぶ科目。事前学修を経て、台湾以外にも、ヨーロッパやアジアなどで長期休暇を利用して現地プログラムに臨むことで、グローバルな視野をもつために必要な価値観の理解を深め、コミュニケーション能力や国際的な視点から地域社会の課題解決に取り組む能力を身につけます。
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▼解決を目指す「社会課題」

岩谷 ななかさん
1年生(兵庫県立生野高等学校 出身)
私たちは、龍谷大学のお膝元である深草地域の「放置竹林問題」に取り組んでいます。かつてはタケノコの産地として栄えた深草も、農家の高齢化や担い手不足によって竹林が荒廃し、災害のリスクや景観の悪化を招いています。
この問題の背景には、所有者不明の土地や竹林管理技術の難度の高さ、課題認知度の低さなど、さまざまな要因が複雑に絡み合う「重層性」がありました。単に竹を切れば解決するという単純な問題ではなく、多角的な視点で課題をとらえ、多様な切り口でアプローチしなければなりません。専門家から竹林管理の技術を学び、実際に汗を流して伐採を行うことはもちろん、高校生向けのイベントを企画するなど、竹の魅力を広く周知するための活動も展開しています。地域の方々と連携し、竹という素材の新たな価値を創造することで、持続可能な保全モデル構築をめざしています。
この活動を通じて得た最大の学びは、社会課題を「自分ごと」としてとらえる姿勢です。以前はどこか他人ごとのように感じていた地域課題も、実際に竹林に入り、整備の厳しさを体感したことで、自分たちの暮らしに直結する切実な問題なのだと気づき、単純な地域の課題でないと理解できました。この事例に限らず、他の社会問題も同じような構図になっています。だからこそ、課題の本質を見抜く目が必要なのです。今回の学びで、知識や経験を、学外の方々にわかりやすく伝える難しさも実感しました。どれほど有意義な活動をしていても、その意義を言語化し、多くの人を巻き込む発信力がなければ、課題解決の道筋は見えてきません。「現場で本質を見極める力」と「課題を自分ごととして考える当事者意識」、そして「伝える力」を糧に、持続的な解決に向けたアクションを継続していきたいと考えています。
「地域課題発見演習」は、1 年生から参加できる実践的な演習科目です。キャンパスがある京都市伏見区を舞台に、大学近隣の地域課題に取り組む多様なセクターと連携しながら学ぶCBL(Community Based Learning )を重視し、フィールドワークの手法を学んでいきます。
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▼解決を目指す「社会課題」

田中 咲さん
3年生(奈良県立高田高等学校 出身)
少子高齢化が進み、自治会や町内会の加入率低下や地域コミュニティの希薄化が、大きな社会課題となっています。私たち「むすびと、」のメンバーは、龍谷大学と近隣する藤森学区で地域の方々と協力しながら、この社会課題と向き合っています。
活動のテーマは、「地域の繋がりのかたちを問い直す」。学生ならではの視点と行動力を発揮し、藤森学区のホームページの改修やイベントの企画などに取り組んでいます。さらに京都市や他の地域の取り組み事例を取材し、その学びを藤森学区に還元しています。こうした活動をすすめるうえで、私たちが何より大切にしているのは、地域の方々との信頼関係です。丁寧な挨拶や感謝のことばといった小さな行動を積み重ね、仲間として認めてもらえるようになりました。「地域と人」「人と人」を結ぶ存在になりたい。「むすびと、」という名前には、そんな私たちの思いが詰まっています。
この活動をとおして学んだことは、大きく3 つあります。まず1 つ目は、コミュニケーションの本当の楽しさを知ったことです。普段の何気ないおしゃべりも真剣な話し合いも非常に楽しく、地域の方からいただく「ありがとう」は、私たちの大きな力になっています。2 つ目は、学生の力だけでは何もできず、地域の方々の協力があって初めて活動が成り立っているという事実です。地域の結びつきの大切さを肌で感じたからこそ、この繋がりを守り、育んでいきたいと心を新たにしました。そして最後は、チームワークの素晴らしさです。チーム活動は決して簡単ではなく、苦労も少なくありません。しかし、仲間と共にやり遂げたときの達成感はとても大きく、次の挑戦への原動力に変わります。地道な活動の成果が地域に、そして自分たちに返ってくる。「癖になる楽しさ」を味わいながら、私たちは今日も活動を続けています。
「Ryu-SEI GAP 」( 龍谷大学 政策学部 Glocal Action Program )は、学生が主体となり、地域社会の課題や問題を発見し、その解決に取り組む実践型プログラムです。地域コミュニティの衰退や子ども・高齢者の居場所づくりなど、幅広い課題ごとにプロジェクトチームに分かれ、地域の人々とも協力しながら取り組みをすすめています。
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深串 仁さん
3年生(大阪府 大阪高等学校 出身)
今里ゼミの最大の特徴は、11年間にわたり京丹後市宇川地域でフィールドワークを継続している点です。「持続可能な地域のあり方を、自治・協働の観点から考える」というテーマのもと、月に一度のゼミ合宿を通じて現地調査や地域交流を行っています。住民の方々と共に汗を流して米の栽培に取り組み、地域のイベントに参加することで、普段の生活では決して味わえない中山間地域のリアルを肌で感じられます。単なる訪問者としてではなく、地域の一員として深く入り込むことで、座学の知識が「生きた知恵」へと変わる瞬間を何度も経験してきました。理論と実践を結びつける独自のフィールドワークに参加できること、豊かな自然の中で試行錯誤しながら、住民のみなさんと一緒に地域を盛り上げていくプロセスに、大きなやりがいを感じています。
一連のゼミ活動をとおして、地域おこしに最も重要なのは「継続性」だと学びました。長年続く継続的な活動によって築いてきた住民の方々との強い信頼関係があるからこそ、私たち学生もスムーズに受け入れられ、表面的な調査では見えない本音や深い課題に触れることができます。また、先輩方の研究成果を引き継ぎ、研究を発展させていくことで、単年度では不可能な深い分析が可能になります。こうした実践経験は、理論と現実のギャップを埋め、地域の実情に即した説得力ある政策提言を行うための強みとなるに違いありません。一過性のイベントで終わらせず、地域に根ざして粘り強く課題に向き合う姿勢こそが、持続可能な発展への第一歩だと確信しています。私たちの調査・研究を引き継いでくれる、後輩の参加をお待ちしています。
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佐藤 楓花さん
3年生(大阪府立旭高等学校 出身)
環境問題は地球規模でありながら、地域や暮らしと直結している分野でもあります。制度や政策の側面から環境問題をとらえ、現実社会で活かせる知識を学びたいと思ったのが、環境政策を扱う大島ゼミを選んだ理由です。このゼミでは、最先端の現場に足を運び、肌で課題を感じることを大切にしています。2025年度は「再生可能エネルギー」をテーマに掲げ、実際に長野県や兵庫県を訪れました。そこで痛感したのは、数字や制度だけを見ているだけでは、真実には届かないということです。現地の方々のリアルな声に耳を傾け、その土地の歴史や人々の切実な思いを知るなかで、課題の裏にある地域の背景を深く理解する重要性を実感しました。現場を知ることで、文献調査だけでは得られない多面的な視点が養われたと感じます。
環境政策は行政、住民、企業といった多様な主体の協働によって成り立っています。ゼミでは他大学の学生とも徹底した議論を行い、専門の異なる視点から課題をとらえ直すことができました。一方的に正解を押しつけるのではなく、粘り強く対話を重ねて合意形成をめざす。それこそが、この分野を学ぶ醍醐味かもしれません。それぞれの意見を一つにまとめていくことは容易ではありませんが、自分だけでは気づけなかった新たな視点を得ることができ、チームワークの大切さに気づけたのだと思います。実効性のある答えを導き出す調整力が身についたことも、ゼミ活動の大きな収穫です。正解がないからこそおもしろいこの学びをさらに深め、次は環境と他分野の繋がりを追究していきたいと思います。
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