- 教員氏名
- 中森 孝文 教授(研究科長)
- 専門分野
- 経営学、知的資産経営
経営者の「不合理を活かすマネジメント」を研究しています。誰もが合理的でありたいと願うのはあたりまえでしょうが、合理的な意思決定を突き詰めると、結果的に皆と同じ判断になってしまいます。特に先行き不透明な状況では、似たような事例を真似ることが合理的になります。しかし、それでは他者(他社)との差が生まれません。そこで、敢えて不合理な意思決定ができるのはなぜか、それを活かすには何をすべきなのかについて研究しています。
大多数の人が「そんな馬鹿な」といって真似ない経営判断が、実は競争力の源泉だったということを発見できるところが面白い。それらを見抜くには、多面的なものの見方が必要になります。アイデアや技術、歴史や文化、ネットワークといった様々な「無形の強み」に着目し、強みを生み出し、活かすための経営者や従業員の努力や工夫を眺めることで、機械やコンピューターに置き換えることができない人間の素晴らしさを知ることができます。
生来の捻くれ者ですから、他人と同じものの見方をするのが嫌いです。企業の評価って何で決まるのでしょうか。お金の量で判断もできますが、それだけでは経済を支えている中小企業を正しく評価できないので、無形の強みを見ることにしたのです。
統一性と多様性の入り混じったところ。学部共通で何かをやろうとすれば学生と教職員がベクトルを合わせて猪突猛進するし、多様な学問領域を活かしたゼミ(演習)では「そこまでやるか」と感心するほど研究内用を競い合うところがオススメ。
京都は歴史や伝統を重視し「敷居が高い」と言われることがありますが、実は新しいモノやコトを積極的に採り入れています。日本で最初の小学校、日本で初めて走った路面電車、日本初の映画上映、日本初の駅伝競走、日本で初めての中央卸売市場、日本初の無担保・無保証人融資など多くの「初」があることから、新しいことへのチャレンジ精神と、本物を見る眼力を大切にしてきたことがわかります。京都について学ぶことは、チャレンジ精神と本物を見る眼を養うことにつながるのです。
野村克也「無形の力」、ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」、フリーク・ヴァーミューレン「ヤバい経営学」など。いずれも「常識」を覆すヒントが詰まっています。
フィールド・オブ・ドリームス、ALWAYS 三丁目の夕日、愛を積むひと。
現代社会が忘れがちな「大切なもの」を思い出させてくれます。
仁義ヲスル者ハ、利ハセネドモ、自ラ利ガツイテマハル也 懐徳堂の初代学主 三宅石庵先生の講義録『論孟首章講義』にある一節です。