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Social Innovation
Human Resources Program

大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム

誰が学べる? 何を学べる?
「大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム」の
構想を中森政策学研究科長にインタビュー【後編】

[ 2024.2.15 更新 ]

将来に役立つ認定資格と修士学位の価値

-ソーシャル・イノベーション人材養成プログラムの学びについて教えてください。

具体的なカリキュラムの策定はこれからですが、多様な領域の理論や分析法等を履修し、実社会の課題を取上げて解決策を検討するPBL型の教育を開発する予定です。
併せてソーシャル・イノベーション人材の認証資格を立ち上げます。認証資格は社会課題をビジネス的に解決できる人材の証です。認定資格の社会認知度を高めビジネスシーンで有利になる道筋を整えていくのは今後の我々の課題ですが、資格を取得した人も社会課題の解決につながる何かを実践することで認定資格の有用性を周知して欲しいと思っています。

-認定資格は客観的な指標として役立ちますし、学びに対するモチベーションもキープできますね。そのほかにメリットはありますか。

修士学位を取得できます。アメリカの経営者の7割強は学位取得者です。学位を持つと商談が進めやすくなったという声も経営者から聞かれました。学位は免許ではありませんからそれを持つと何かが特別にできるようになるというものではありませんが、何かを徹底的に極める力がある証です。これはソーシャル・イノベーションだけでなくどの領域でも武器になるのではないでしょうか。

龍谷大学大学院 政策学研究科⻑ 中森 孝⽂研究科長

異世代交流によって生まれる発想と人脈

-短期のプログラムではなく、2年間大学院に通って学ぶのはなぜなのですか。

ソーシャル・イノベーションを後押しする人材になるには経験や人と人のつながりも重要です。大学院に通う社会人院生は、年齢も立場も職種も違ういろいろな経験値や知識を持っているので、学びとはまた違う多角的な視点が養えます。しかも同じ場所に通い、課題をどうしようかとか、論文はどうしたらいいとか、常にコミュニケーションを取ることで連帯感が生まれ、将来に役立つネットワークも築けますよ。

-学部から入学した大学院生とも一緒に学ぶのですよね。

学部から入学した大学院生の自由な発想に触れることで、固定観念が払拭され新しいことにチャレンジしようという意欲も沸きます。つまり立場や世代を超えた交流を図ることで、自分たちの研究に深みが増すのです。ぜひ大学院でさまざまな経験に触れ、いろいろな発想や刺激がもらえる、そして共同して新しい価値の創造に取り組める人と出会ってほしいと思っています。

社会貢献がもたらす自分の人生の豊かさと幸せ

-どのような人にソーシャル・イノベーション人材養成プログラムを受講して欲しいですか。

社会人でも学部生でも、自分は学べる、ここで学ぶんだという自分に対する自信と、でも自分の知識は十分でないという謙虚さを兼ね備えた人に入学してほしいと考えています。謙虚でなければ固定観念なんて払拭できませんからね。ただしその目的が、100%社会のためというものでなければならないのかというとそうではありません。自分のために努力をすることだってもちろん大事です。ソーシャル・イノベーションでビジネス的成功を収めたいという考えでも別に構いません。人は富を手にして、結果的に何をするのかというと、社会に還元したくなるものなのです。アメリカの大富豪もそう。結局、財団を作って多くの人々に分け与えています。人間はやはり良いことをしたい。良いことをして社会の役に立つと気持ちいいものなのです。

-誰かに何かをして「ありがとう」と言われると心が満たされます。ただ社会レベルになるとハードルが一気に上がってしまうような気がします。

社会貢献の仕方は一つではありません。ユーモアを振りまくだけでも社会貢献です。ユーモアはセロトニンを放出させて、人々のやる気や協調性を高めます。身近なところに社会貢献のネタはあるのです。それを知るためには、一見して役に立たないように思えるようなものでも、見方を変えたり時間をかけたりすれば、何かにつながるのではないかという固定観念を捨ててものごとを眺め、謙虚に様々なことを学ぶことが大事です。ぜひ『大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム』で社会課題の原因を多面的な視点から見抜く力と多様な領域の知見を組み合わせて付加価値を生む力を養ってください。その力を活かし、長いスパンをかけてビジネス的解決に注力する。それが結果的に人と社会を豊かにできたら、幸せなことだと思いませんか。