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Training Program for
Social Innovation Designer

大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム

企業の価値創造ストーリー成果発表

[ 2025.5.2 更新 ]

今回の講座では企業ごとに、自社の強みを顧客の評価・視点から掘り下げて「客観的に評価できる機能的価値」「主観的に評価される意味的価値」に分類。社会課題解決に向けて強み(ポテンシャル)と外部環境を活かした新しい価値とは何かを考え、強みにつながっているマネジメントを抽出し、各企業の価値創造ストーリーを導き出しました。その一部をピックアップし、どのようにまとめたのか、どの点が良かったのか、先生・受講者のコメントを紹介いたします。

例1)繊維機器国内トップシェアを誇り、不織布産業のフロントランナーである創業130年の老舗メーカーの場合

価値創造ストーリー

経営理念・方針

  • ●創業以来、変わらない社訓
  • ●社員は家族という考え方
  • ●社会やステークホルダーに貢献する

マネジメント(強みの構築・維持に向けた努力)

  • ●オーナーシップ
  • ●順応型組織
  • ●最適なポジショニング

強み(特徴を生み出す理由)

  • ●積み重ねてきた歴史、培ってきたノウハウ
  • ●開発力(創造力・粘り強さ)
  • ●一気通貫の生産(国内・自社生産路)

解決したい社会課題

  • 災害問題

新しい価値創造

【意味的価値】

  • 学んできた安全への意識
  • 地域への恩返し
  • 地域に向けた安全への普及啓発活動・ワークショップ

【機能的価値】

  • 不織布の特性を生かした防災グッズの開発

的場先生のコメント

マネジメント、強みが分かりやすく構成されている。あえていうなら同族経営の強みである順応型組織をどう生かしていくかをもっと知りたかった。自然災害という社会課題を深く分析し、ピンポイントで考えられると良かった。

中森先生のコメント

自然災害の背景や構造は都市と田舎では違う。そこを分析できれば、新たな価値を見い出せるのではないか。

受講者のコメント

社内での経営企画遂行(人材育成・人材採用含む)に活かすために受講しました。今あるものを整理し、新たな発想を加えてストーリー化すること、自社の強みの分解をすることで、これまでになかった価値を創造するチャンスに変わることが新たな発見となりました。今後は社内若手向けのワークショップや研修プログラムの一環として取り入れられないか検討していきたいと思います。

例2)世界トップレベルのフィルムスリット加工会社の場合

価値創造ストーリー

経営理念・方針

  • ●異次元対応
  • ●未来へ躍進する
  • ●お客様の期待に応える

マネジメント(強みの構築・維持に向けた努力)

  • ●なんとかしたいというプライド
  • ●先進的な経営者と職人の融合
  • ●結果的に積極的な投資

強み(特徴を生み出す理由)

  • ●お客様にとって第2の工場
  • ●リピートしたくなる思いやり
  • ●差別化できる技術

解決したい社会課題

  • 人材不足

新しい価値創造

  • 人を教育
  • 人材派遣
  • 職人の知識AI化
  • VR教育
  • 出社不要な工場
  • 多様な新人教育プログラム
  • 工場省力化

内田先生のコメント

日本の中小企業の強さを感じた。直近で解決すべき課題、長期にわたって解決していく課題を分けて考えると面白い。

中森先生のコメント

ストーリーとしてのつながりは良い。社会課題と価値創造のつながりが少し悪いと感じた。マネジメントの部分に人への投資が入っていると良かった。

受講者のコメント

課題提出をするにあたり、通常業務では使わないフォーマットに社内メンバーと共に落とし込んで自分たちの会社を捉えるというのは面白かったです。
実際に会社で活かすには、もう少し考えるヒントや方策を教えていただける時間が欲しかったかなと思います。今回3回の講座で期間が限られる中で提出する課題に取り組み時間も必要という状況だったので、もう少し「あ、そういう方法もあるんだ!」みたいな気付きの場面があったら良かったです。もちろん他社の方々の事例から自分たちで得ていくものだとも思いますし、学びのヒントに至るところがありました。

政策学研究科・龍谷エクステンションセンター共催for Business講座 レポート