1st time
「自社の強みと活かし方を考える」
1回目は、まず中森先生から会社が生み出す価値には機能的な価値と意味的な価値があることを紹介し、それぞれの価値につながる会社の強みの分析方法をレクチャーしました。そして、ものづくり企業をはじめ多くの企業は技術が強みと答えることが多いけれども、実は、技術を生み出す人の育成方法や、人がチャレンジしやすい職場環境が強みを生み出す原因となっており、そのためには長い目でみた人材教育や失敗を許す企業風土といった強みを生む根幹を見る必要性について説明を受けました。そして、強みを活かして新しい事業を創造するには、社会課題に着目することが大切であり、社会課題の解決策の検討を通じて新たな価値を創造することを今回の講座の狙いだという説明がされました。その後、3チームに分かれ、まずは「自社の強みを知る」、次に「社会課題に着目しながら強みの活かし方を考える」というグループワークに取り組みました。
「自社の強みを知る」では、顧客の視点から、なぜ自社の製品やサービスを繰り返し購入してくれるのだろうか、顧客が感じている価値とは何かについて深く考えました。そして自社の提供している価値を分類し、それぞれの価値を生み出す根源的な強みについて徹底的に深掘りをしました。また「社会課題に着目しながら強みの活かし方を考える」では、これまでの固定観念を払拭し、自社が対象にしてこなかった社会課題を取り上げ、(「自社の強みを知る」で明らかにした)自社の強みを活かしてどのような解決が考えられるのかについて幅広く意見を出し合いました。その意見の中から自社の事業として持続的に取り組めるアイデアを導き出し、そこからどのような新しい価値が生まれるのかについて検討しました。
●グループワークの心得
- 受講生として常に真摯に取り組む
- いかなる機会も活用するという貪欲さを持つ
- 出席者や送り出してくれた会社の上司や部下に感謝の気持ちを忘れない
- 固定観念を捨て、ゼロベースで考える
- 大真面目におもしろいことを考え工夫する
●グループワークのルール
- 人の話をよく聞く
- 否定から入らない
- 特定の人だけが話しすぎない
- 傍観者を作らない
- 時間を意識する
- 必ず結論を出す
●グループワークの進め方/制限時間40分
自己紹介→分析対象企業を決める→司会(ファシリテーター)を決める→時間管理者(タイムキーパー)を決める→チーム全員が協力して意見を出し合う
まとめとしてファシリテーターが内容を発表(5分)
初顔合わせながら、意欲的かつ有意義なグループワークをおこなった受講生たち。最後に、今回の研修を自社に持ち帰り、同僚や部下と一緒に「自社の強み」「強みを生かした社会課題の解決策」「強みを生かした新しい価値」について期日までに明らかにするという宿題が出され、1回目の研修は終了しました。
2nd time
「自社の強みを維持・強化・活用することを考える」
1回目から約2週間後に実施された2回目の研修は宿題の発表からスタート。「少子高齢化」「物価の上昇」「自然災害への対応」など自分たちが取り組みたい社会課題に対し、抽出した企業の強み、そして外部の環境を活用した新しい価値について発表をおこないました。
その後、受講生は中森先生から社員のワークエンゲージメント(仕事への熱意や没頭)とコミットメント(組織への愛着)を高めるために必要なこと、職場の心理的安全性とワークエンゲージメントとの関係性、障がい者雇用の効果などについての講義を受講。次のステップとして企業の強みを維持・強化・活用する方策「マネジメント」を考えるグループワークを1回目同様、3つのチームに分かれて取り組みました。
2回目ということでメンバー同士の議論もより深まった様子。最後に「社会課題の解決策」「自社の強みを生むためのマネジメント」「経営理念から価値創造までのストーリー」を考える宿題が出されました。
3rd time
「自社の新しい価値を創造する」
3回目は2回目の宿題として出された課題に対する「成果報告会」が実施されました。
受講生がそれぞれ所属する企業ごとに、自社の「価値創造ストーリー」をそれぞれ発表。中森先生とコメンテーターとして参加した政策学研究科の内田恭彦教授、的場信敬教授が評価しました。
評価のポイントとなったのは「企業の使命を再認識できているか」「社会課題の解決に向けて、固定観念を捨て、自社の強みを組み合わせた解決策を考えられているか」「強みを維持・活用できる社員を育成できるか」「社会課題の解決に向け、持続的な取り組みに向けた努力はできるか」という点。先生たちからは「社会課題に関してもっと詰めて考えられると良かった」「うまくまとまった発表だったけれど、もう少し裏付けがほしい」「社員のワークエンゲージメントが高まる要素があれば具体性が高まる」といった研究者視点での鋭い指摘だけでなく、「日本の中小企業の強さを感じた。価値創造ストーリーに関しては短期と長期に分けて考えると面白い」「新たな取り組みとして考えたBtoCへの挑戦は具体的化できそうな気がした」という今後への期待を込めたコメントもありました。
最後に中森先生が「課題提出まで2週間というハードな研修に参加してもらってありがたい、真面目に取り組んでいただいたことがよく伝わった」と総評を述べ、そのうえで「自分のやり方は正しいに決まっているという固定観念を捨てて、自分の仕事に直接的に関係ないことでも幅広く学ぶことを大切にしてもらいたい、新しいモノやコトが生み出しにくい世の中であるからこそ、自分たちの会社が社会課題に対してどうすべきかについて追求してもらいたい、そのために大事なことは自信に満ちた謙虚さです」とコメント。3回に渡る講座が終了しました。
今回の講座では受講生同士が自主的に名刺交換を行うなど、他業種との交流の場ともなっていました。今後も政策学研究科では社会人にリスキリングの場を提供していきます。
学び続けることが会社、そして社会を変える~政策学研究科が社会人のリスキリングを実践~
[ 2025.5.2 更新 ]
1st time
「自社の強みと活かし方を考える」
1回目は、まず中森先生から会社が生み出す価値には機能的な価値と意味的な価値があることを紹介し、それぞれの価値につながる会社の強みの分析方法をレクチャーしました。そして、ものづくり企業をはじめ多くの企業は技術が強みと答えることが多いけれども、実は、技術を生み出す人の育成方法や、人がチャレンジしやすい職場環境が強みを生み出す原因となっており、そのためには長い目でみた人材教育や失敗を許す企業風土といった強みを生む根幹を見る必要性について説明を受けました。そして、強みを活かして新しい事業を創造するには、社会課題に着目することが大切であり、社会課題の解決策の検討を通じて新たな価値を創造することを今回の講座の狙いだという説明がされました。その後、3チームに分かれ、まずは「自社の強みを知る」、次に「社会課題に着目しながら強みの活かし方を考える」というグループワークに取り組みました。
「自社の強みを知る」では、顧客の視点から、なぜ自社の製品やサービスを繰り返し購入してくれるのだろうか、顧客が感じている価値とは何かについて深く考えました。そして自社の提供している価値を分類し、それぞれの価値を生み出す根源的な強みについて徹底的に深掘りをしました。また「社会課題に着目しながら強みの活かし方を考える」では、これまでの固定観念を払拭し、自社が対象にしてこなかった社会課題を取り上げ、(「自社の強みを知る」で明らかにした)自社の強みを活かしてどのような解決が考えられるのかについて幅広く意見を出し合いました。その意見の中から自社の事業として持続的に取り組めるアイデアを導き出し、そこからどのような新しい価値が生まれるのかについて検討しました。
●グループワークの心得
●グループワークのルール
●グループワークの進め方/制限時間40分
自己紹介→分析対象企業を決める→司会(ファシリテーター)を決める→時間管理者(タイムキーパー)を決める→チーム全員が協力して意見を出し合う
まとめとしてファシリテーターが内容を発表(5分)
初顔合わせながら、意欲的かつ有意義なグループワークをおこなった受講生たち。最後に、今回の研修を自社に持ち帰り、同僚や部下と一緒に「自社の強み」「強みを生かした社会課題の解決策」「強みを生かした新しい価値」について期日までに明らかにするという宿題が出され、1回目の研修は終了しました。
2nd time
「自社の強みを維持・強化・活用することを考える」
1回目から約2週間後に実施された2回目の研修は宿題の発表からスタート。「少子高齢化」「物価の上昇」「自然災害への対応」など自分たちが取り組みたい社会課題に対し、抽出した企業の強み、そして外部の環境を活用した新しい価値について発表をおこないました。
その後、受講生は中森先生から社員のワークエンゲージメント(仕事への熱意や没頭)とコミットメント(組織への愛着)を高めるために必要なこと、職場の心理的安全性とワークエンゲージメントとの関係性、障がい者雇用の効果などについての講義を受講。次のステップとして企業の強みを維持・強化・活用する方策「マネジメント」を考えるグループワークを1回目同様、3つのチームに分かれて取り組みました。
2回目ということでメンバー同士の議論もより深まった様子。最後に「社会課題の解決策」「自社の強みを生むためのマネジメント」「経営理念から価値創造までのストーリー」を考える宿題が出されました。
3rd time
「自社の新しい価値を創造する」
3回目は2回目の宿題として出された課題に対する「成果報告会」が実施されました。
受講生がそれぞれ所属する企業ごとに、自社の「価値創造ストーリー」をそれぞれ発表。中森先生とコメンテーターとして参加した政策学研究科の内田恭彦教授、的場信敬教授が評価しました。
評価のポイントとなったのは「企業の使命を再認識できているか」「社会課題の解決に向けて、固定観念を捨て、自社の強みを組み合わせた解決策を考えられているか」「強みを維持・活用できる社員を育成できるか」「社会課題の解決に向け、持続的な取り組みに向けた努力はできるか」という点。先生たちからは「社会課題に関してもっと詰めて考えられると良かった」「うまくまとまった発表だったけれど、もう少し裏付けがほしい」「社員のワークエンゲージメントが高まる要素があれば具体性が高まる」といった研究者視点での鋭い指摘だけでなく、「日本の中小企業の強さを感じた。価値創造ストーリーに関しては短期と長期に分けて考えると面白い」「新たな取り組みとして考えたBtoCへの挑戦は具体的化できそうな気がした」という今後への期待を込めたコメントもありました。
最後に中森先生が「課題提出まで2週間というハードな研修に参加してもらってありがたい、真面目に取り組んでいただいたことがよく伝わった」と総評を述べ、そのうえで「自分のやり方は正しいに決まっているという固定観念を捨てて、自分の仕事に直接的に関係ないことでも幅広く学ぶことを大切にしてもらいたい、新しいモノやコトが生み出しにくい世の中であるからこそ、自分たちの会社が社会課題に対してどうすべきかについて追求してもらいたい、そのために大事なことは自信に満ちた謙虚さです」とコメント。3回に渡る講座が終了しました。
今回の講座では受講生同士が自主的に名刺交換を行うなど、他業種との交流の場ともなっていました。今後も政策学研究科では社会人にリスキリングの場を提供していきます。