TALK SESSION 03

<つなぎ・ひきだす>地域公共人材

村田和:人事や採用担当者にどんな能力を求めてますかと尋ねると、必ず「コミュニケーション能力」が入るでしょう?

大矢野:入ってくるね。人間力や社会人基礎力だと言われるなかで、その基盤にあるのが「コミュニケーション能力」だと。

岡本:そういう能力って、大学で教えられるものなんですか?

土山:龍大政策学部が特徴にしている科目(コミュニケーション・ワークショップ演習など)じゃない(笑)。

村田和:一般に言われている「コミュニケーション能力」という言葉があいまいすぎるんですよ。だから、何をどう教えるのかということもあいまいになる。仲良くやれる力という話で終わっちゃう。

岡本:それは確かにそうですね。政策学部でなぜコミュニケーション能力なのかと。

深尾:それはむしろ分かる。社会は価値観や立場、利害の違う人々が集まっているけれど、その違いをこえて課題と対策を共有していくのが政策。コミュニケーションというか、対話や議論が必ず必要になる。

村田和:そう。相手と自分の違いをふまえながら、課題や目標で「つなぎ」、共感や理解や信頼を「ひきだし」、政策を生み出して進めるための「コミュニケーション能力」です。

深尾:政策に関わる人々や組織はさまざまだから。市民、企業、国や自治体という立場の違いをこえて、本当の意味で「協働」できる人材がいるよね。「地域公共人材」って呼んでますけど。

大矢野:まさに、そういう「コミュニケーション能力」なんだよ。

土山:政策には、あらかじめ分かっている正解がないから、対話や議論が必須ですね。しかも、これまで日本では、そういう訓練を教育でも実践でも十分に積んできていない。

深尾:相手を打ち負かす議論じゃなくて、違いをこえてつながる議論ですね。もちろん、論戦が不要というわけではないけど。

大矢野:それは政策に限らず、営業や会議でも有効じゃない?

村田和:応用の幅があるのはいいじゃない(笑)。大事なのは、「コミュニケーション能力」が何かを具体化して、それが身につくプログラムを用意することだから。

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